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RPAとは?業務効率を上げ、働き方改革をもたらす

 

 

RPAという言葉を聞く機会が増えてきたのではないだでしょうか?
しかしRPAという言葉がどんな意味なのか、どのような概念なのかを理解している人はまだまだ多くはありません。
そのため本記事では、RPAの本質を押さえていくために「RPAとは?」という基本的な部分からAIとの違い、社内に導入するとどのようなメリットがあるのかを解説していきます。

 

RPAとは

 

RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、社内にある業務を効率化するためにソフトウェアロボットが代行・自動化する概念取り組みのことです。これまで人力で作業していた決まった業務をロボットに任せることで、社員や職員の業務負担を減らし、人的資源を生産性が上がる他の業務に集中させることが目的です。上記のような目的を達成するために、考えられたのがRPAであり、近年さまざまなRPAソリューションが登場しています。

1. デスクワークの自動化に役立つ

RPAがもっとも力を発揮できるのが定型業務を繰り返し行うことです。会社の業務には毎日、同じ業務を繰り返し行うことも多いでしょう。たとえば決まったフォーマットからシステムへのデータ入力作業や一斉メールの配信などです。これらは単純な作業ですが、人間が毎日や毎週繰り返し行なっているとヒューマンエラーが発生してしまう場合も多いでしょう。こうした決まった作業をRPAツールは正確に早く行えます。

人が作業を行うとどうしてもパフォーマンスに差が出てきてしまいます。一方でRPAツールはソフトウェアロボットのため、同じペースでパフォーマンスを24時間365日発揮できるのが特徴です。そのため定型作業が自動化できるRPAソリューションは「仮想知的労働者(デジタルレイバー)」とも呼ばれています。

RPAソリューションは最初に作業処理手順を登録しておけば、これまで社員が行なっていた操作と同じようにロボットが自動で行なってくれます。これまで人力に頼っていたものをロボットが同様の仕事を担ってくれるため、デスクワークの自動化に役立つのです。

2. RPAの得意分野

これまで人が行なっていた作業をロボットに代行してもらうRPAですが、すべての業務で代行・自動化できるわけではありません。RPAには得意分野の作業があり、大きく分けると下記の2つに分けられます。

<RPAの得意分野>
①手順がルール化された定型作業
②PCで完了する作業

RPAの得意分野は「あらかじめ決められたルールに基づく単純作業を繰り返し行うもの」になります。簡単に言えば「一度覚えてしまえば、判断をせずにワークフローに沿って作業をするだけのもの」です。たとえば下記のような定型業務が挙げられます。

・データのコピー&ペースト作業
・データのダウンロードやアップロード作業
・グラフ、表の作成
・メールの一斉送信
・指定データの抽出作業

これらの業務は決まった作業の繰り返しになりますので、自身でこうした方がいいという判断は必要ありません。求められているのは決まったワークフローを正確に早くこなすことです。RPAではこうしたルール化された作業を24時間365日ノンストップで正確に続けることが可能です。

またRPAではPC上で行う単純作業を組み合わせて操作を行うこともできます。たとえばWordファイルから指定範囲のテキストを抽出し、その後Excelファイルに転記するなどの作業です。なぜならRPAは手順さえ決められていれば、一つの作業の流れとして認識をするからです。こうした単純で判断を必要としない作業を正確に行えるのがRPAの強みであり、得意としている分野になります。そのため社内でどのような定型業務があるかを洗い出すと、RPAをどの部分に導入すると効率的かが見えてきます。

3. RPAの不得意分野

反対にRPAの不得意分野は、複雑な判断を伴う作業や例外的な処理が発生してしまう作業です。先述したように判断を必要としない作業をRPAは得意としていますが、不得意はその逆になります。RPAはあらかじめ登録しておいた作業以外の判断はできないので、自主的に何か別の作業を行う、修正作業を行うことはありません。決まった業務を淡々とこなしていくイメージが正解です。また突発的な例外処理が発生した場合、RPAツールは動作を停止してしまいます。

そのためRPA導入当初は動作が停止してしまう場面も多くあるでしょう。RPAをスムーズに動作させていくためには、ロボットが止まったら、人間がその度に修正していくことが必要になります。最初は何度も止まってしまい苦労するかもしれませんが、修正を重ねていくたびにRPAの精度は上がっていき、最終的には自動化することに繋がります。
あらためてRPAの不得意分野は下記の通りです。

・なんらかの判断を伴う作業
・例外処理が多い作業

RPAを導入する際は「単純で定型業務に限る」ことを覚えておくと、失敗することはなくなるでしょう。

4. RPAとAIの違いは?

RPAとAIは「これまで人が行なっていた業務を代わりに行える」という点で同じように考えられがちですが、全く異なるものです。RPAとAIの違いは下記のようにまとめられます。

RPAとAIの違い
・RPA:判断を必要とせずに、指定された作業を行う。人間でいえば「手」の業務
・AI:自らが学習し判断する業務を行う。人間で言えば「脳」の業務

繰り返しになりますが、RPAとは決まった業務を正確に素早く行えるロボットです。判断や考える必要がなく同じ業務を繰り返し行うことに適しています。そのため自らで考えて判断することはありません。先述したように決まった業務以外の例外的な処理などが発生してしまうと、作業を止めてしまいます。

一方でAIは「深層学習(ディープラーニング)」という特徴があるように、自らが考え予測し、判断するものです。たとえばAIを活用した受注予測や渋滞予測、顧客へのおすすめ商品の提案などは最たる例と言えます。これらは大量のデータをAIが学習して、今後どのような動きをするのかを予測する、その人に合った製品を導き出すなど自らが考えて行う業務です。そのためAIではあらゆる状況に応じて、柔軟な対応ができる業務に適していると言えます。

RPAとAIは同じように捉えられがちですが、上記のような違いがあることを覚えておくと良いでしょう。

 

RPA導入のメリット

 

本章ではRPA導入のメリットについて解説します。主なメリットは下記の通りです。

①業務効率化がアップ
②人材不足の解消
③ケアレスミスの防止

①業務効率化がアップ

RPAを導入することで業務効率化を期待できます。なぜなら単純作業を高速で自動化できることに加え、人に変わって業務を行うので、これまで単純作業を行なっていた人員を他の仕事に回すことができるからです。RPAは同じ作業を繰り返すことが得意分野なので、人が行う作業スピードと比較すると大幅に速い作業が可能です。そのためRPAを導入した企業では、作業時間がこれまでの半分以下で完了するといった事例も出ています。またロボットの作業は正確なため、ミスが少なくチェック時間の短縮にも繋がるのが嬉しい点です。

RPA単体で導入をしても業務効率化が期待できますが、AIと組み合わせて利用することでさらに効率化が進みます。なぜならRPAとAIは得意分野が異なるので、AIがRPAの苦手な部分をカバーできるからです。AIでは先述したように「自分で考え判断する業務」に向いています。たとえばAIを活用した「AI OCR」は文字認識を高精度で判断するものですが、単純な確認作業をRPAが行い文字認識や判断を「AI OCR」が行うことで、紙帳票が介在した業務の効率化は一段と進みます。

上記のようにRPAとAIが組み合わせることで、社内の業務効率化が進むと共に、DXを加速させることができます。

②人材不足の解消

少子高齢化が叫ばれる昨今、労働力の人材不足はされに加速すると考えられています。

「国立社会保障・人口問題研究所」のデータによれば、2027年には生産年齢人口が7,000万人を下回るとされています。2013年には8,000万人の労働人口がいたため、1,000万人ほどの減少です。

こうした人材不足を解消するためには人的リソースをより適切な配置で活かさなくてはいけません。これまで紹介したRPAは単純作業を24時間365日、休むことなく継続して作業することが可能です。そのため、これまで業務負担だった作業を代行ができ、作業工数の削減や残業・休日出勤の削減にも繋がり職場環境の満足度は上がっていくでしょう。また、これまでRPAで代行する作業を担っていた社員などは、より生産性の高い業務に配置することで業務効率化が加速します。たとえばRPAでは補うことができない、高度な分析や制作などを行う業務などです。

RPAにこれまでの業務の一部を任せることで、人材不足の解消に繋がります。

③ケアレスミスの防止

RPAを導入することで、これまで人が作業すると発生していたケアレスミスを防止する効果があります。なぜなら、RPAは単純作業を正確に早く行えるからです。

人が単純作業を続けていくと、疲労や集中力の低下によってケアレスミスを誘発してしまいます。ケアレスミスを起こしてしまうと修正作業に時間を割いてしまう、ミスを注意するためにさらにチェックする工数が増えてしまうなどのデメリットがあります。

繰り返しですが、RPAはロボットのため疲労を感じることはありません。登録した作業内容であれば、きちんと続けられるので人間で起こるようなケアレスミスが発生することはなくなります。またイレギュラーな対応が出てきた場合はRPAの動作が止まるので、ミスを起こしてそのまま作業が続行してしまうという不安もありません。こうした日々起こりうるケアレスミスの防止にもRPAは役立ちます。

 

RPAの導入事例

 

最後にRPAの導入事例をご紹介します。

1. RPAを導入し、業務時間を58,000時間削減

エネルギー業界のある大手企業は、働き方改革の一環としてRPAを導入しました。
この企業では製油所のメンテナンス期間中に、作業員がデータを自社システムとExcelに登録する作業が毎日100~200件ほど発生しており、業務負担に繋がっていました。しかしRPAの導入により、Excelに記載されたデータが自動的に自社システムに反映されるように改善したことで、現場作業員の業務負担軽減に成功しています。
また別の部門ではRPAを「AI OCR」と連携させることで、紙によるシステム開発依頼書のデータを自動で読み取り、システムへの取り込みまで行うことを実現。依頼書は手書きからワープロ打ちまでさまざまですが、「AI OCR」によって正確に読み取れています。
上記のような取り組みの結果、同社では業務時間の58,000時間削減を達成しています。

2. アットホーム株式会社の80体の定常稼働したRPAロボットによる業務効率化

全国に約40事業所を展開するアットホーム株式会社では、顧客情報管理部によって各種提供サービスの申込書類を管理していました。しかしサービスが多岐にわたるため、スタッフの業務過多や繁忙期における人材確保が課題としてあがっていました。

上記のような課題を解決するため、同社はBizRobo!とAI-OCRサービス「Tegaki」の連携ソリューションを導入。結果としてダブルチェックなどの作業員の作業負担が軽減されたことにより、全社的に展開することを決定しました。
現在では80体の定常稼働したRPAロボットによって、月間約400時間の作業時間の削減を実現しています。また合わせて作業員の精神的負担が軽減されたことも大きな結果だとしています。
RPAとAI-OCR製品を組み合わせて業務効率化を実現した好例と言えるでしょう。

詳細はこちらから:https://www.tegaki.ai/user-case-at-home/

まとめ

 

・RPAとは定型作業の代行
・自動化を指す概念であり、それを行うツールも指す
・決められたルール化で単純作業を素早く、ミスなく、繰り返しこなすのが得意
・一方、判断を求められたり例外処理が多い作業は苦手
・自律学習・判断ができるAIと異なり、単純作業に特化している
・AI OCRと組み合わせることで業務範囲が大きく広がり、より業務効率化に貢献できる
・業務効率化、人材不足の解消、人的ミス防止など様々な導入メリットがある

RPAを導入することで、主にバックオフィスの作業負担が減ることは間違いないでしょう。また「AI OCR」と組み合わせることで、業務効率化のさらなる加速に繋がります。働き方改革が叫ばれる昨今の一番手としてRPAは導入しやすく、結果が見えやすいのが特徴です。

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