導入事例
CASE STUDY
「Tegaki」を活用し、統合受注BPOサービス「QOSIS」における注文入力の生産性を向上
・同社が提供する統合受注サービス「QOSIS(クオシス)」の注文データの入力部分において、注文書の手入力の業務生産性に課題を感じていた
・「Tegaki」を統合受注サービスの「QOSIS」に組み入れたことで、注文入力の生産性が向上
・導入先の大手食品メーカーA社において32%の業務効率化を実現
・データ納品までの時間短縮などを通じ「QOSIS」のサービス全体の品質が向上した
Company Profile
トランスコスモス株式会社様
ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)業界大手の東証一部企業。企業の業務効率化とコスト最適化を支援するBPOサービスおよびコンタクトセンターサービスに加え、デジタルマーケティングサービスとECワンストップサービスを提供する。1985年設立、グループ全体の従業員数は61,773名(2020年9月時点)。
ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)業界のリーディングカンパニーであるトランスコスモス株式会社。現在、主にメーカーにおける受発注業務を注文受付からデータ納品まで受け持つBPOサービス「QOSIS(クオシス)」の一部において、データ入力を効率化するソリューションとして「Tegaki」をご活用いただいています。今回は「QOSIS」製品担当のトランスコスモス株式会社 小幡様に「QOSIS」の概要や「Tegaki」の導入背景などについてお伺いしました。
BPO業界のリーディングカンパニーが提供する、統合受注サービス「QOSIS」
まずはじめに、統合受注サービス「QOSIS」についてご紹介していただけますでしょうか。
トランスコスモス株式会社 小幡様
「QOSIS」は、受注処理プロセスを標準化し運用とコストの最適化を実現する、主にメーカー様に向けたBPOサービスです。「QOSIS」導入企業様の取引先からメールやFAXで届く注文をデータ化し、お客様のシステムにデータを連携/納品するところまで、ワンストップでサービスを提供しています。
これまでは、お客様ごとに業務体制をカスタマイズして構築するBPOサービスをメインに提供しておりましたが、現在提供している統合受注サービス「QOSIS」では、弊社が持つメーカー様向けのオペレーションのノウハウをパッケージとして標準化し、複数のお客様が活用できる体制とシステムを用意することで、お客様のさらなる業務効率化とコスト最適化を実現することが可能です。
「QOSIS」において、どういった部分で「Tegaki」をご活用いただいているのでしょうか。
「QOSIS」は、上記のような流れで注文処理を行います。
まず「QOSIS」導入企業様の取引先からFAX経由で注文を受信した後、注文書をフォーマットごとに振り分けます。そのあと注文内容のデータ入力を行います。この工程で「Tegaki」を活用しています。
入力が終わった後は内容に間違いがないかを入念に検査し、データを変換してシステムに送信します。
注文書をはじめとした紙帳票にまつわる業務の効率化において、AI OCRを自社で導入・運用し、効果を発揮されている企業様も多くいらっしゃるかと思います。自社導入ではなく、「QOSIS」のようなAI OCRを組み込んだBPOサービスを導入するメリットや強みについて教えてください。
一番のメリットは、AI OCRを含めたシステム全体の運用保守を弊社側で管理することで、導入企業様の運用コストを大幅に削減できるという点です。
帳票の読み取り箇所を設定するテンプレートの作成やOCR処理をかける帳票フォーマットの振り分け、読み取り箇所の微調整などを通じた定期的な読み取り精度のチューニングなど、AI OCRの運用に係る工程を全て弊社側で管理しておりますので、導入企業様は運用に必要な人員、場所、システムを所有いただく必要がありません。
「Tegaki」導入の背景と選定理由
「Tegaki」の導入の背景について教えてください。
以前はFAXから来る注文内容を全てスタッフが手入力していたのですが、どれだけスタッフの育成に取り組んでも、手入力の生産性には限界があると感じていました。
そこで、「QOSIS」を担当する事業部門でデータ入力業務の生産性向上を実現するためのシステム導入の検討を開始し、もっとも有力なソリューションとしてAI OCRにたどり着きました。
数あるAI OCRサービスの中から、なぜ「Tegaki」を選定いただいたのでしょうか?
いくつかのサービスがある中で、はじめにたどり着いた「Tegaki」を試しに使ってみたところ、帳票の読み取り箇所を設定する「Tegaki Editor」の使い勝手が非常によいことに加え、安定した文字の読取精度から高いコストパフォーマンスを期待できたため、「Tegaki」の選定に至りました。
製品評価フェーズから導入まで
「Tegaki」の検証から導入に至るまでの流れを教えてください。
2018年12月にプロジェクト始動したのちに「Tegaki」に出会い、2019年1月から本格的な製品評価を開始しました。同年4月には製品評価を終え、5月からはファーストユーザー様への導入フェーズに移行しました。
製品評価では、約7000種類の帳票フォーマットで検証を行い、時間帯ごとの処理スピードや「Tegaki Editor」の細かな操作方法など、実際のオペレーションの中で起こりうる課題抽出を徹底的に行いました。
この検証フェーズで深く製品評価を行えたことが、プロジェクト全体がスムーズに進んだ最大の要因だったと思います。
導入までにぶつかった困難、そしてその困難をどう乗り越えたかについて教えてください。
「QOSIS」は導入企業様の取引先データを取り扱うサービスですので、これまではインターネット回線を使わずに閉域ネットワーク内でデータ処理を行い、専用線を通じてお客様へのデータ納品を行なっていました。
そのため、「Tegaki」をクラウド上で活用するのにはハードルがありました。しかし、検証を重ねた結果、OCR処理する注文書のデータのみを「Tegaki」連携用のサーバーにプールし、そこからAPI経由で「Tegaki」にデータを流してOCR処理を行うという仕組みを構築するに至りました。これにより、「QOSIS」のサービス全般の処理自体は閉域のまま、OCR処理部分に限定してクラウドを活用することができました。
大手食品メーカーにおける受発注業務を32%効率化
「QOSIS」の導入先のなかで、「Tegaki」を活用しているお客様における導入効果について教えてください。
「QOSIS」をご導入いただいている大手食品メーカーA社様では、受発注業務における月間約2.6万枚の注文書の読み取りに「Tegaki」を活用し、32%の工数削減を実現されています。
メーカー業界における、AI OCRに対する反応や関心はいかがでしょうか。
現在メーカー業界では、ドライバーの方々の働き方改革や事故防止などの取り組みが推進されています。そのため、商品を送り届けるまでの時間を物流面から短縮することは難しく、物流面以外のオペレーションをいかに効率化できるかが重要であると伺っています。そういった背景もあり、注文データの納品までの時間短縮をサポートするAI OCRの活用のニーズは、近年さらに高まってきていると感じます。
今後について
最後に、今後のご活用展望について教えてください。
現在は、「Tegaki」で読み取ったデータ全てに対して目検チェックを行なっていますが、今後はそういったチェックを自動化したり、全ての帳票の1次入力をOCR処理に移行することなどを計画しています。そのような施策を通じ、具体的な数値目標として50%の工数削減の実現を目指しています。
「Tegaki」の活用範囲の拡大がさらなる業務効率化の実現に繋がると考えておりますので、最大限「Tegaki」を活用できるよう今後も努めて参りたいと思います。
さらなるサービス向上に向け、今後も密に連携できればと思います。本日はありがとうございました。
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